恋文〜先生へ綴る想い

恋する力は思った以上の力を発揮した。



しゅーた先生の特訓&しゅーた先生にイイところを見せたいという気持ちが脳に強い指令を発して、


私は人が変わったように与えられたセリフをぺらぺらとしゃべることができた。


歌だってみんなから遅れを取ることはなかった。



おかげさまでしおり先輩の嫌味攻撃を受けずにすんだし、


しゅーた先生からも「見違えるようだな。Good job !」と褒めてもらえた。


当時の私には“Good job”の意味なんてわからなかったけど、


先生に褒められる度に私の脳は喜びを得て、更なる奇跡を生み出した。




夏休みが終わる頃には、しおり先輩にも「あんた結構やるじゃない」と言ってもらえるまでになって、


あそーちゃんでさえ私のことをバカにすることはなくなっていた。




ホント、恋の力ってすごいな。



ホントに今なら何でもできそう。




そんなふうに思っていたらすぐに学校が再開、


あっと言う間に文化祭の日がやって来た。
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