恋文〜先生へ綴る想い

「春日?どうした?」



その場にしゃがみ込んで両手で顔を覆った私の横で、先生は驚いたように言った。



「だって、だって…」



私が泣きじゃくり始めると、しばらくして先生は大きくため息をついた。



「なんだよ…、せっかく褒美をやろうと思っていたのに」



…え?



「ゴホウビ…?」



その言葉にゆっくり顔を上げると、先生は私に笑顔を見せた。



「お前、これまで劇のためにすごい頑張ってきただろ?カスにしてはすごい努力を見せてくれたじゃないか」


「え…」


「だからその褒美だ。何がいい?」


「うそ…」



私は思わず立ち上がり、先生の顔をまじまじと見つめた。



「褒美って、何でもいいんですか…?」



先生は苦笑いした。



「そりゃ、ダメなのもあるけど、俺が用意できそうなものならどうぞ…」


「うそ…。ホントに…?」


「ああ。ラズのCDも貸してもらってるしね」



先生がそう言ってうなずいてくれたので、私は思わず本音を吐いてしまった。



「じゃあ、1時間とか30分でもいいから、先生とデートしたい…!」
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