小悪魔男子




「よかったね…本当に…」


あたしは何にもしてない。


いい結果になったのは大和達、家族がちゃんと分かり合える関係だったからなんだ。


環境が人を変える。


いい意味でも悪い意味でも。


でもね、分かり合おうとする気持ちがあれば大丈夫。



それに改めて気づくことができた。


「さなちゃん…?どうして泣いてるの?」


え?


そう言われて初めて、頬をつたう温かいものに気付いた。



「あ…なんか、感動しちゃって…」


大切な人がこうして困難を乗り越えていく様子を目の当たりにして嬉しくないはずない。





キイッ…





「…さなちゃん、大好きだよ。今までも これからもずっと。」


立ち上がった彼は、あたしの涙をぬぐってくれた。



そして


温かい手に包まれながら




降ってきた優しいキスに目を閉じる-------―…………






















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