小悪魔男子



「別れるかもしれないな」


「!ちょっと和樹ったら!!なんてこと言うの!?」


ドスッ!



和樹が鈍い音で薫ちゃんにみぞおちを殴られた。


「…ゲホッ…や、だから…。



別れるかもしれないけど、それは真希だけのせいじゃないだろ?

先生にだって責任はある。それを決めるのは夫婦の問題なんだから、お前が心配する必要はないんじゃないか?


どう転ぼうと、確実に元には戻らないものがあるんだ。


先生が選ぶのが真希なのか奥さんなのかは分からないけど…お前は先生を守るって決めてるんならいろんな可能性を考えて覚悟しておくんだな」


「和樹…




珍しくまともな事を…。あんたに説教される日が来るなんて、世も末だわね」



真希が茶化すと和樹も笑いながら


「安心しろ。これは説教じゃなくて助言だ」



と言った。





笑い声を聞きながら思う。



今回の事は覚悟が必要なんだ。変な言い方をすればギャンブルみたいな恋愛だったんだから。


駆け引きを繰り返して、ついに最後のゲームまで来た。


…本当は不倫なんて良くないことだとはみんな分かってる。けれど…やっぱり友達の恋は応援したいんだ。


そのためにできる事なら何でもするつもりだった。





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