小悪魔男子



「早く冷やすぞ!風呂、どこだ?」

「あ…右奥に…ぅわっ」


場所を聞くや否や、和樹はあたしをお姫様だっこで抱えてお風呂場に向かった。


ピンポーン…


2回目のチャイムを聞いて、あたしは真希に出るように促す。



うちのお風呂場はトイレと洗面所にも繋がっているので、扉を開けたとたんに薫ちゃんのキスのイメージトレーニングが目に入ってきた。


「きゃ~っ!!何なのよ、あんたたち!!」


「あほか」


和樹は冷たい視線を浴びせて、風呂場の床にあたしを下ろし、シャワーのコックをひねった。



サー…



冷たい滴が足にかかる。



「痛みが取れるまでだからな。15分はそのままでいろよ」


「和樹…ありがと…」


じんじんと痛む太もも。


スカートからのぞくその個所を見ると、少し赤くなっていた。



「…っ」


「?」


和樹が不意に顔をそむける。


「あ。」


もしかして…



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