小悪魔男子
「ねぇ…。お母さんは何でお父さんと結婚したの?
幸せ?」
「え゛!?///」
あ…顔真っ赤になってる…。
「……結婚してからは凄く幸せよ?さなも産まれてきてくれたし。
だけど…」
「だけど?」
あたしがそう尋ねると、少し躊躇いながら 過去の話しをしてくれた。
「実は…付き合ってるときに1度だけ別れそうな事があって…。
お父さんとは6年間交際してから結婚したんだけど
1度だけ、
浮気されたことがあったの」
それは、子どもにとってはとても衝撃的で
あまりにも今の自分の現状と酷似していたせいもあって…胸がズキズキと痛んだ。
「何で…浮気されたのに結婚なんかしたの…?」
お母さんはニコリと笑って、話しの続きを教えてくれた。
「私と出逢った時、お父さんには付き合っていた女性が居たのよ。
私は、お父さんがその彼女に向ける笑顔に惹かれた。
とても優しそうで、愛情がこちらにまで伝わってくるようだったわ。
そんな彼を、見ているだけでよかった…。
だけど…その笑顔も次第になくなってきたの。彼女と上手くいかなくなったのが手に取るように分かった」