小悪魔男子
顔を洗って
腫れた目を隠すようにメイクをすると、4時少し前になったので隣へと向かった。
ピンポーン
…応答がない。
華耶さんの車が止まっているから中には居る筈なのに。
妙な胸騒ぎがして
玄関のドアノブに手をかけてみると…
「開いてる…」
悪いとは思いつつ、家の中へと入っていった。
ガタンッ
その物音は2階の部屋から聞こえるみたいだ。
後から後から押し寄せてくる不安が足をすくませるけれど
自分の探求心と、
見なければならない事だ と、義務が背中を押してくる。
物音がしているのは、大和の部屋だった。
ノック しなきゃ…
手を軽く握って打つ体制になったけど
ギシギシと軋むベッドの音でその礼儀と理性と常識の全てが飛んでいき
気付いたら
ドアノブに手をかけて
勢い良く扉を開け放っていた。
「な…にしてんの……?」
目の前には
シーツで見えないとは言え
上半身が裸と思われる格好の二人が、ベッドの上にいた。