小悪魔男子




「…何?」



「アドレスを聞いた時のあいつの”知りたい理由”を聞いてたか?


確か…『ミス・ミスターコンに出てるのをキッカケに仲良くなりたい。年上の友達が少ないんです。

勿論、皆さんとも仲良くなりたいです』…だったかな。


そして、薫はその光が好きみたいだ。





…これで俺が言いたいことがわかるだろ?



じゃーな。…明日来るんだろ。学校で会おうぜ」






今度こそ帰っていく和樹の後姿を見つめながら




顔がにやけるのを止める事が出来なかった。





…薫さんがあいつを気に入ってるってことは、アドレスを聞かれたときに断らないように圧力をかけたに違いない。




だから断れなかったんだ…?





違うかもしれないけど 今はその予想に浸っているだけで勇気が出るんだ。



まずは。





華耶が帰ってきたら きちんと話し合わなければ。




もう逃げてなんていられない。





そう覚悟して家に入ったのだけど。






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