小悪魔男子


「ヤー。イラッシャイマセ、ミナサン」


「…何ですか。真希以外にはそんな態度とるんですね」


他行きます と後ろを向くと

「わ~~~!ごめんごめん!冗談だって!!」


と焦った様子で引きとめられた。


「っていうか。なんですか?その恰好…」


真希が怪訝そうに尋ねる。


「へへー。可愛い?綺麗?素敵?惚れた??」


ニコニコとそう捲くし立てる安藤さんだったが、真希は何一つ返事をしないまま


「やっぱり出よう」

と教室を出ようとする。



「ちょ…!冗談じゃん!!」


「あなたのは冗談に聞こえないのよ」



…あれ。


真希の変化に気づいてしまった。



言い争いながらも 彼女の顔はなんだか嬉しそうで…



「お似合い?」



薫ちゃんがこっそりあたしに耳打ちしてきて それが勘違いなんかじゃないんだって分った。



相手がなんだか気に入らないというか、まだしっくりこないけど



真希がいいなら あたしも反対する理由がない。





…まだ恋人に発展はしそうにないけど。





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