からっぽ

やっぱり

朝、今日は何が何でも学校に行くと決めた日。

カーテンを全開にし、窓を開けた。

鳥が鳴き、きれいな水色の空が、視界に入ってくる。

すごくすがすがしい気分になった。

早起きも悪くないと思った。

朝飯くって、髪の毛を無造作にセットした。

いつもよりも、ちょっと、おとなしめの髪。

久しぶりに制服に手を通す。

気持ちがパリッとする。

俺は早めに家を出た。

俺と同じ制服を着ているヤツとすれ違った。

そいつは相当なインキャラっぽかった。

笑いそうになった。

家から学校まではチャリで10分くらい。

歩くと20分くらいかかる。

歩きだった俺は、堂々と遅刻した。

教室に入った瞬間ざわついてた教室がピタッと静かになった。

沈黙を破ったのは担任の盛川だった。

「お前・・・どうして学校に・・・?」

ひどく驚いているようだった。

「別に理由はないッスよ。」

さらっと流した。

「まぁ、いい、さぁ、みんなに自己紹介をしろ。」

みんなは、俺のことを知らない。

だから、さっき静かになったのはほんの一瞬だけだった。

「マジー!?超かっこいーんですけど!!!」

と一人のギャルで中心的なやつに言われた。

「俺は黒原恵太。転校生でもなんでもありません。ただ理由があって、学校に来ていなかっただけです。これからよろしくお願いします。」

と頭を下げた。

「よろしく~。」

最初に声をかけたのは、坂城想太。

「恵太って呼んでもいーか?」

2番目は、園田安岐(あき)

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