あなたのとけい
紙一重
ふたりで行く 市役所
ふたりで歩いた 十二年


白紙に 戻す時

ふたりの旅が 終わる時


「緑の用紙、下さい。」


窓口の女性の

妙に明るい 声のトーン


さり気ない 優しさなのか…


今 この時

別れ行く ふたりの為

惜別の時

込み上げる 想い

思えば あの日のふたり


青い用紙に 名前を書いて


至極の 時の中に居た

幸せと不幸せは

いつも 隣同士

微笑んでいた

そんな事さえ 知らずに


゛愛と別れは、紙一重〟


私の耳元で

緑の用紙が 囁いた
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