a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜
明衣は無意識に尋ねていた。
「それってうちらにも入ってくるの?」
明らかに現金な奴だと誰しもが思う質問だが、当の二人はしてやったりという表情で頷く。
明衣は口元に弧を描くと、言った。
「入部するわ。aucに!」
すると、本郷と五月女は顔を見合わせ、ニヤリと笑った。
明衣は一瞬眉を寄せるが、それ程気にしない。
次の瞬間、二人は嬉しそうに飛び跳ねた。
「やったぁ!交渉成立!私卒業した後良祐に任せるの心配だったの」
「俺も部員増えて嬉し……って、どういう意味ッスか!?」
明衣は彼らのその様子に、何だか癒されて自然と微笑んだ。
その時、煙草の匂いが再び鼻を刺した。
せっかく良い気分だったのに台無しだ、と明衣は顔をしかめた。
「ちょっと煙草臭いんだけど。この教室、他に誰か居るんですか?」
苛立ったような明衣の言葉に、二人は思い出したように「あ」と言いながら、教室の中のカーテンの奥に呼び掛ける。
「先生、たった今新しい部員を迎えたんです。挨拶してくださーい。それから、煙草も控えて」
五月女はよく通る声で言った。
カーテンが微かに揺れた。