禁じられた遊び

桃香Side①

『俺を助けろ』なんてメールが届くから、びっくりして家を飛び出してきたら

克波さんは、ごみ袋の山の中に埋もれていた

「ちょ…何で?
どうしたんですかっ!」

顔が腫れて、端整な顔が見事に歪んでいる

目の上に大きなコブがあり、赤紫色で痛々しい

直視するのはつらいくらい、克波さんの身体はボロボロになっていた

「び…病院に…行きましょう
今、すぐに救急車を……」

あたしは携帯を鞄の中から出した

ピと電子音に反応した克波さんが、コブのないほうの目を開けると手が伸びてきた

痣ですっかり腕の色が変わっていた

「だ…め、だ
九条家のルールに反する」

「何ですか、それ」

「オヤジに殺されるってこと」

「は?」

あたしは携帯の通話を着ると、鞄の中にしまった

「サンキュ」

「病院に行けないなら、薬局に行っていろいろ買ってきますよ
湿布を貼るくらいしか…できませんけど」

「わりぃな」

克波さんは苦笑いをして、立ち上がった

「…っく」

克波さんは痛みで、顔が歪んだ

「足の骨、折れてるみてぇだ」

「ええ?」

どうしよう…

折れてるって言われても、あたし、何もできないよ

「とりあえず…」

克波さんはまわりを見渡した

「あそこに行こうぜ」

克波さんがさしたのは…ピンク色のネオンが眩しいラブホテルだった

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