禁じられた遊び
一昨日の夜に、寝るまで手をつないで傍にいてくれたのを思い出した

テツさんの手の温もりを思い出すだけで、体の芯から沸騰しそうになる

「着いたよ
ここが僕の家」

車庫の門が自動で開いていく

「え? 一軒家なんですか」

白を基調としたら、大きな3階建ての家だった

「うん、小山内の姓を貰うのと同時に、父が土地も一緒にくれたんだ
家を建てたのつい最近で、まだ片付けきれてないんだけど」

テツさんが恥ずかしそうに言いながら、ハンドルとまわして車庫入れを始めた

一回で車庫にぴったりと車がおさまった

すごい

テツさんは車の運転も上手なんだね

「克波さん、起きてください!」

あたしは、肩にもたれてぐっすりと寝ている克波さんの腕を振った

車を降りようとドアを開けたテツさんが「あれ?」と不思議そうな声を出した

あたしはテツさんの声に反応して、窓から外を眺める

そのときふわりと揺れるスカートの裾が見えた

白いスカートが、まるで磁石のようにテツさんの体に吸いついた

「来てたんだ」

テツさんの明るい声が耳に入ってくる

え?

ええっ?

あたしは自分の目を疑った

「一晩じゅう、どこに行ってたのよ」

聞き覚えのある声が、あたしの脳内を刺激した

貴美恵さん?

どうして…ここに、いるんですか?

貴美恵さんは、テツさんに抱きついている

テツさんも、貴美恵さんの腰に手をまわしていた

「あとで話すよ」

テツさんがにっこりとほほ笑むと、あたしたちが車にいるのを気にも留めずにキスをした

舌を絡ませて、思わずあたしが呼吸をするのを忘れてしまうような濃厚なキスだった

これって……きっと、二人は恋人同士なんだよね

貴美恵さんは、勇人さんのこと好きじゃないって言ってたし…



< 115 / 200 >

この作品をシェア

pagetop