禁じられた遊び

小花Side⑤

校内で泣くだけ、泣いたあと…

勇人に支えられながら、家に帰ってきた

勇人と離れるのが嫌で、ずっと寄り添っていた

お風呂のときも、ご飯のときもずっと勇人の体に寄り掛かって過ごした

今はベッドの中で、抱きしめ合って横になっていた

勇人は文庫本を読んでいる

私は、ただ勇人の腕にしがみついていた

「勇人様、失礼します
制服をクリーニングに出そうとしたら、これがポケットから出てきましたので」

家政婦が鍵を差し出してきた

文庫本から目を離した勇人が、家政婦から鍵を受けると、ベットの脇にある棚に置いた

「もう、今日は帰っていいから」

それだけ言うと、勇人はまた文庫本に目を戻した

「はい、では失礼します」

家政婦は、お辞儀をすると部屋を出て行った

ゆっくりとドアを閉まるのを確認にした私は、棚の上に置いた鍵を見つめた

何の鍵だろう

マンションの鍵も、学校のロッカーも、生徒会室の鍵も…勇人が使う鍵はすべて黒革のキーケースにしまっているのに

この鍵だけ、なんで単独に持っているの?

この鍵は、何?

「なんだ?」

勇人の声が頭の上からした

私の視線に気がついたのだろう

「鍵…何の鍵かなって思って」

勇人の目も、鍵にいった

電気スタンドの下にぽつんとある鍵が、なんだか寂しそうに見えた

「ここのマンションのだ
一つ空きがあるって耳に入れたから、契約して購入したんだが…」

勇人が言葉を止めた

「ふっ」と息を漏らして、自嘲した笑みを浮かべた
< 144 / 200 >

この作品をシェア

pagetop