禁じられた遊び
良太郎のいる家に帰りたくない

「その恰好で帰れるのか?」

「え?」

あたしの前を歩くピアス男に話しかけられて、顔をあげた

「替えの制服なんて持ってないですから」

ぼそっとあたしは答える

ピアス男はズボンのポケットから赤い携帯を出すと、どこかに電話をかけた

「あ、テツか
キミを連れて車で俺のマンションに来い
ウチの高校の制服を一式持って来るのを忘れるな
女モノの…だ
サイズは、ブレザーはМ、ワイシャツもМ
スカートは58センチ
靴下とネクタイも忘れるな」

ピとボタンを押すと、ピアス男は電話を切った

「ついてこい」

「え?」

ピアス男が足を止めると、振りかえった

「俺のクラスの誰かに犯されたんだろ
馬鹿ばっかだからな
くだらねえ行為で喜ぶ
…くだらねえ奴らだ
着替えを用意させたから、それを着て家に帰れ」

「え…と…そのぉ…お金とか…どうすれば」

「ああ?」

ピアス男の眉間に皺が寄った

「金? 欲しいのか? いくらだ
手持ちなら…20万くらいしか持ってないが」

目の前にいる男とあたしと感覚が違うみたい…

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