先生、この気持ちはどうすればいいですか?
「うん。
あの日から決めてる、
もう一生
暴力はふるわないって。
いくら殴られたからって、
やり返したところで
気分が悪くなるだけだから」

ん?

「先に手を出したの、
そのキャプテン
だったんですか?
なら、どっちも辞めさせられた
ってことですよね?」

先生は静かに
首を横に振った。


「あいつは引退まで、
ずっとキャプテンだったよ」

どうして……?

「大して強くもなければ、大して弱くもない。
そんな評判のサッカー部で
あいつは別格だった。
けど、
チームワークを無視して
突っ走って……、
周りを見下して
初心者をバカにして……」

先生は一呼吸置いて続けた。
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