あいの手紙



トントントンと
リズムよく朝食の支度は済んでゆく。


そろそろ、8時。
急がなくちゃ間に合わない。


出来たての食事をテーブルに並べて手を合わせた。


「頂きます…麻結を」

突然、後ろから伝わる温かみと心地良い重み。

声の主は、そっと私の首筋に顔をうずめた。


「…おはよう、広人。」

グイッと頭を引き離しながら、朝の挨拶を交わす。


私の腰に回った腕は放さまいと力を強くした。


「ご飯食べづらい…」


そう漏らした小言はすぐに広人の唇にのみこまれた。


「…っん、

いいじゃん、後で。まずは麻結から…。」


そう言って、広人はニットの裾から手を忍び込ませてくる。

あまりにも温かいぬくもりに、つい心溶かされそうになった…



が、それどころじゃなかった。


「やめてってば…今日は学校なんだから!」

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