窓、ひらけば君と恋。
私が恋をしてないと思ってるんだよね…


「じゃあ。私、飲み物買ってくるね!」


そう言うと反対のドアから出て行った。


私は彩夏の後ろ姿を見送るとさっき来た道を戻った。


渡り廊下のドアを開けると、


「ヒャッ!!」


薄暗い廊下に森田君が立っていた。


「そんなとこにいないでよ!!びっくりしたじゃん!!」



はっ!もしかして話し聞かれてたかも?


「もしかして…立ち聞きですか?!」


そういうと、


「違うよ!二人がいないから探してたら渡り廊下にいたから…でもなんか話し込んでたから出るに出れなくて…」


なんだ……


「それにしても…森田君って意地悪な人ね!香奈と松原君をふたりっきりにさせるなんて…私の気持ち知ってるくせに…」


そう言いながら私は図書館へと向かった。



「オレはどっちの味方でもないよ。それにどっちの応援もする」



後ろで落ち着いたように森田君は話す。


「変なの…」



「あと…もし親友の二人が恋に夢中で自分の恋を相談出来ない人がいれば…相談にものれるよ」



……


窓から月の明かりが廊下を照らしていた。


なんだか足元がフワフワする。



「へぇ…それはそれは…ありがたい」



私は森田君の方を向くと


「そんなに優しいから…コロッといくのかな?」



森田君は不思議な顔をしていたけど無視した。


「あの二人をそう長く二人を一緒にはさせられない!」


そう言うと図書館にダッシュした。



月の明かりのせいかフワフワした雲に乗って、彼のもとに向かっているような気がした…



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