Two Strange InterestS
 その視線に気がついた彼も、「いつだって、っていうのは嘘かな」と、少し顔を赤くしながら訂正して、

「都の前だと、ブレーキきかなくなるから」

 それは、私に対する褒め言葉なのだろうか。

「褒めてるよ」

 顔で語ってしまったらしい。また言葉を返せなくてそっぽを向く私の顔を、彼がぐいと正面へ戻して、

「ねぇ、都……その……」

「?」

 何だろう。
 自分で私を正面に向かせたくせに、口ごもってしまう薫。

 私がきょとんとした表情で見つめると、意を決した彼が……それでもためらいがちに、こんなことを言った。



「…………襲っても、いい?」
< 147 / 160 >

この作品をシェア

pagetop