Two Strange InterestS
 後日、新谷氏に小説を渡す際、何となく綾美の話(本を提供してくれる友人の話)になり、私が彼女は同人作家で、こんな名前で活動しているんだよー……ということをぽつりと呟いた。綾美のPNを彼に告げたのは、何かのアンソロジーで読んだことがあるかもしれないと思ったからなんだけど、

「マジで!? あの人、沢城の親友なのか!?」

 という、予想以上の食いつき。

「あ、知ってたんだ。まぁ、最近色んなアンソロにも参加してるみたいだし……」

「あ、あのさ……」

 ……唐突にスケッチブックを手渡された。
 どこから出したんだ、これ。

 意図を察してとりあえず受け取るものの、私を見つめる新谷氏が尋常じゃないほど目を輝かせている。そんなキラッキラさせなくても分かってるよ。ちゃんとフルカラーで描いてもらうから。
 ただ、

「キャラのリクエストは?」

 何となく聞いてみたけれど、返ってきたのは意外すぎる答えだった。

「だ、誰でもいいに決まってるだろ! でも、あえて言うなら「Fa○e」のアーチャーかランサーが……」

「ちょっ……そのカップリングには一定の理解を示すけどどうしてギャルゲーなの!?」

「沢城こそどうして知らないんだ!? あの人は受けのアーチャーを描かせたら日本一なんだぞ!」

「ちょっ……! 私の(心の)兄貴を受けとか言わないでーっ!!」


 ……私の親友のPNは、色んな所で既に有名だということがよく分かった。
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