半径1㍍禁止

楽しい時間をガラリと変えてしまう。

って…、楽しいんだ…。


なんか、自分の気持ちが分からなくなってきた。


「藍衣。聞いてんの?」


――コツン


額と額がくっつく。


「………。」


心臓の音は、どんどん加速する。


「どうしたんだよ。」

桐斗が、困った顔をして私の頬に触れる。


勇気を振り絞って聞くよ。


「……桐斗は。
嘘ついてない?」

私が言った。

「……は?」

桐斗がますます困った顔をする。


「だって、聞いたんだから…。」

思わず下を向く。


聞かなきゃ。

ちゃんと、聞いた方がいいんだ。


桐斗から、顎をクイっとあげられた。

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