半径1㍍禁止


「……伝わんない。
毎日言っても、きっと伝わんない。」

私が言った。


「………はぁー…。」

桐斗は困った顔をする。


「…桐斗にそんな優しくされたって。
偽りか疑ってる自分がいるんだもん。」


「……だから…、…なんで。」


「付き合ってるかも分かんなくて、いつも中途半端で…。」


なのに…、好きとか言うから…。



「俺だって…、
藍衣の気持ちが分かんねーよ。」

桐斗が言う。


「…………。」

黙り込んだ、私。


「…信じてもくれないなら、好き以前の問題じゃん。

なんで、過去にこだわるわけ?」

桐斗から掴まれてる手首が痛む。



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