半径1㍍禁止


「はい、どうぞ~」


ニッコリしてカップをあたしの前に置く。


「なんか、すいません…」


実際、紅茶とか飲めないんだけど。

なんて思いつつ、申し訳ないので一口飲んでみた。



「美味しいかしら?」


「…あー、はい」


葉っぱの味がする…。

なんて言えるはずがない。←



「良かったわぁ。

この前、桐斗に飲ませたらマズいって言われちゃって心配だったの」


「…へー…」


唖然とした返事をする、あたし。


てか、桐斗に用があるんですけど…。

いつの間にか、この人のペースに惑わされていた。


こういう所、桐斗に似てる……。



「そうだわ!紅茶にぴったりのお菓子があるのっ」


そう言って、またキッチンに走って行く。


あのー……?


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