放浪カモメ
途切れ途切れの拙い会話が、思いの外に二人の気持ちをつなげていく。

交わした言葉は本当に少ないけれど、メグは人見知りをしている時にしてしまう、目を逸らして会話をすることが無くなったし。

鴨居は端から見てもすぐに分かってしまうくらいにメグに思いを寄せ始めていた。

まぁ、端から見ても分かるくらいなのに、当の本人達が全く気付いていないのは如何なものか。

「カモはパパとママ好き?」

唐突な質問に鴨居は驚いたが、恥ずかしそうにしながらも答える。

「そうだね、好きだよ。父親は普段は温厚な人なんだけど、お酒を飲むと口うるさくなるんだ。町内のサッカークラブのコーチをしているから休日もあまり家にいなかったけど…人当たりの良さとかは本当に尊敬する。」

メグは無表情に鴨居の話を聞いていた。

興味が無いというわけではない。ただ純粋に受け入れることができないという様子だった。

「母親はね。すごく仕事熱心で小さい頃は何で一緒に居てくれないんだろうってスネたこともあったけど、母親が父親と一緒に頑張ってくれてたおかげで苦労もなく生きてこれたんだって今では感謝してる。休日には友達と旅行行ったりしてて、うちの両親は凄い充実した日々を送ってるんじゃないかな?だからオレは面と向かっては言えないけれど両親が好きだよ。」

最後に鴨居は恥ずかしそうにはにかんだ。
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