共鳴り
≪最終章≫

もう一ヶ月以上、家には帰ってへんかった。


理乃と連絡を取り合うこともなく、気付けば季節は秋に移り変わっていた。


レイコさんにも嶋さんにも、それでも相変わらず、変化なんてひとつもない。


清人は前よりちょっとだけ痩せて、元々不健康そうやったのに、更にそれが増した感じにも見えた。


国光さんは、「生きてたんだ?」と言ってへらへらと笑ってたっけ。


毎日は、やっぱりぐるぐる廻るだけ。



「ちょっとちょっと!
アンタ3日連続でうちに泊まるのやめてよねぇ?」


明け方にレイコさんちのベッドに入ったのに、ものの数時間でそんな言葉と共に叩き起こされた。


うるさいなぁ、と思いながらも、もぞもぞとする。


彼女は組の内部事情に実に精通していることは知っている。


でも、誰かの秘密を漏らすことは絶対になく、俺と理乃の関係を嶋さんに言うことは間違ってもないはずやし。


やからこそ、清人と嶋さんがどんな密約交わしてるのかですら、未だに俺は掴めんままやねんけど。



「もうちょっと優しくしてくれてもえぇやんかぁ。」


不貞腐れながら俺は、体を起こした。


久々に朝から俺のアソコが元気クンになってるし。



「舐めて?」


言うと、ぺしっと頭を叩かれ、俺は笑う。


レイコさんは怒った顔で煙草を咥えてしまい、まぁ、毎日はそんな感じやった。

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