複雑家族
美香は英斗君から離れた


「………お母さんのことが好きなの?」

「ああ………。好きだ。愛してる。」


ついつい本当のことを言ってしまった。英斗は美香に納得をしてもらおうと思ったが。それは裏目になることになる。





「お母さんには和馬さんがいるのよ?」

「ああ、わかってる」

「なら」




と大きな声で美香は叫んだ。強調するつもりで言ったのだった。




「今は。俺の気持ちを貫きたいとは思っていない」

「え?」

「ただ、彼女のそばで陰で支えるだけで俺は充分だ。今は父親も出張中だし。男の俺が彼女のそばで彼女を見守る。」

< 9 / 40 >

この作品をシェア

pagetop