恋する背中をつかまえて


どんな力を借りて、
あたしと崇志の写真を
公にさせなかったのか、

詳しいことはわからない。


そんな力に、
一般のあたしなんかが
適うはずもないことくらいは

言わなくてもわかってた。





だから、

生で逢えなくても
ひたすら耐えてきた。



力には、
歴然とした差がある。

だから、
あたしは黙って
聞き入れていくしかない

と思っていた。





一選手が反発したら。

それは放出に繋がる
危険を孕んでいる。



…それだけは避けなければ。



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