国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい



・・ミコミナライ?

ドレイ?

何の話だろう。



レアには、二人の会話は、ほとんど理解できなかった。

ただ、その後ろで声を押し殺して泣いている母を見ると、これがただ事ではないのだろうと感じた。


「一応、確認しておくが、もちろん処女だろうな」


「あぁ、当然だ。巫女は処女じゃなきゃ、資格を失うからな」


男は満足げに頷くと、まだ食事の済んでいないレアの腕を強引に引っ張った。


「きゃっ!」


転びそうになるのを支えたのは、レアがこの世で一番愛している母。


「待ってください。せめて食事が終わってから!」


必死にすがりつく母の体は、男の平手によって宙を舞い、

レアは母の名を呼びながら、ひきづられるようにして、住み慣れた我が家を後にした。






< 13 / 522 >

この作品をシェア

pagetop