国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

『それは、はるか遠く、

まだ、神や精霊が人との間に隔たりなく存在していた頃のこと・・』


透明な水のように濁りのない声で、レアはウェスタ創世記について語り始めた。


全10章からなるその口伝は、いくつもある語りの中でも、もっとも長く難解なもので、

すべてを間違えずにすらすらと語ったとしても、一日の四分の一はかかると言われるものであった。


神官長になるためには、これを一言一句完璧に覚えねばならず、

ウェスタの巫女たちは、朝と夕の祈りのさいに、神官長が少しずつ語ることを聞き覚えていくのだった。


もちろん、彼女たちはそれを覚えるために努力を怠らないが、

しかし、それら全てをたった一人で語れるものは、

150人を超える全てのウェスタの巫女の中でも、ほんの一握りでしかなかった。









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