魔女と魔獣
「どういうこと?」

私はすがるように
和重に尋ねた。


「親父が出張に連れて行った。」



「なんで?」



「あいつを後継者にしたいんだと。」



和重の顔はゆがむ。



「だって、あなたが
息子でしょう?」


「俺には魅力を感じないってさ。」


「ひどいこと…
大事な子供に……」


和重が目を丸くした。



「おまえ、おもしろいこと言うな。」



「だって、自分の子でしょう?
それにまだ子供なのに……
傷つけることを
なんとも思わないんだね。
マジュだって同じよ。
かわいそう、あなたたち……」



おっさんに振り回されて
同情するしかない。



 マジュ…
 どうしてるの?
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