魔女と魔獣
十一の巻 愛と決意

大粒の雨

 通り雨?

すごい雨だった。
真重の家は、ここから20分はあるけど


 もしかしたら
 不自由な足でどこかで
 立ち止まってるかも……


そう考えると
私はいてもたってもいられない。


大粒の雨の中
私は走り出した。




 傷つけたことを
 どう謝ったらいいんだろうか



雨は私を責めるように
体を打ちつける。


遠くで雷鳴が聞こえる。



足がまだ不自由な真重は
もう家についただろうか



必死に走った。


雷鳴から逃げるように
走った。



道の途中に真重の姿はなかった。




真重のアパートが見えた時
雷鳴が鳴り響いた。



  
< 299 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop