魔女と魔獣
「もう…こんなこと二度と
経験しないと思ってた。
あの時、マジュとまにょを失った時
絶対に命を大事にしようって
誓ったから
桃子が身ごもった時
とても緊張したわ。」

パパが抱えていた
頭をあげた。


「まにょの父さんが
ずっと頭を撫ぜて、最後の最後まで
生き返るって信じてた。
今俺ら、あの時のまにょの家族と
同じ気持ちだよ。」


「思い出しても
辛かったな。
俺は立ち直るのにしばらくかかった。
ショックだった。」
翔パパが目を閉じた。


 そうだよね。
 さっき私はその悲しみを見てきた


「信じよう、翔も桃子も
絶対大丈夫って。」
パパが立ちあがった。


 翔?



「翔に何かあったの?」


マリリンはまた私の手を握った。
< 337 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop