魔女と魔獣
「もう、姿もどったね。」


「うん。もうすぐ戻れるよ。
おまえも幸せになれよ。」


「わかんない。
こっちの状況は想像と違った。」


涙があふれた。



「泣いてるの?」


「なんか私のせい。
みんな私の軽率な行動のせい。」


「違うよ。
おまえは天使だよ。
みんなを幸せにしてくれる
強くてまっすぐで
輝いてた。」



「それはマサ代の容姿が
美しかったからよ。
もう現実の私なんて
ガリガリの幼児体型で
ペチャパイで
見たらがっかりするから。」


「ずいぶんなコンプレックスだ。
にしてもいつまで闇なんだ。
目も全然慣れてこない。」


闇は深い・・・・


「マジュの現実は?」


「うん、早く戻りたい。
戻ってあいつの元気な笑顔を
見守るんだ。
俺が絶対、あいつを幸せにする。
離れてみてわかった。」



心が痛んだ。


「その子幸せだね。」
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