理想の結婚
「車の中でいいか?」


「うん。」


その会話がぎこちなくて、
全身が寂しさに覆われるようだった。


しばらく沈黙が続いた・・・

俺は意味もなくハンドルを
握り締める。


こうなるまでは、こんな沈黙
たいしたことなかったのに、
今は堪らなく嫌だ。


何かしゃべらないと・・・

気持ちばかりが焦りる・・・



「あのさ・・・」


「ごめんね、郁人・・・」


その言葉に振り向くと、
祥子は泣いていた・・・



< 155 / 203 >

この作品をシェア

pagetop