The bird of the single wing ―片翼の鳥―
でもあたしは、いつも、見て見ぬフリをしていた。

関わりたくなかったから。

Xに目を付けられたくなかったから。

…いじめられるのが、怖かったから。

狭山深雪は、鳥籠に閉じ込められたのと同じ…

方翼しかないのと同じような、悲しい鳥だと思った。

でも、いくらあたしが何を思おうと、どうにもならない。

あたしは、普通の生徒だから。


その日はなぜか、やけに体が重かった。
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