偽装恋愛
第1章
もし、私があなたと出会っていなければ。あなたとあんな約束をしなければ。好きな人にたいして、一生嘘をつき続けることはなかったのかもしれない。あの頃の、私は凄く弱い人間だった。







高2の冬。



この頃の私は、学年トップで容姿端麗の女、相崎琉伎奈(るきな)から酷い嫌がらせを受けていた。毎日が苦痛でたまらなかった私にも好きな人がいた。





「要!ここにいたのね。」





良い忘れていたが、私の名前は、一条要である。





「話があるんだけど、放課後付き合ってくれるわよね」





私はうなずいた。怖くて声すら出なかった。





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