誰よりも、きっと
私の家は、父・母・弟と私の四人家族。
いつものように家族四人で夕食を食べていると、いつもは口数の少ないお父さんが、突然口を開いた。

「ユイ。明日から二年生やなぁ。今の気持ちはどうだ?」
「う〜ん…
ワクワクやけど、なんか緊張♪」

普段はあまり話しかけてこないのに、今日のお父さんは妙に話しかけてきた。

「それはそうと、ユイ。同じ学年に関川くんっていう人がおるの、知っとるか?」
「同じ学年?いや、知らんよ。先輩なら分かるけど…」
「そうか。その人はお兄さんやろうな。まぁ、知らんでもいいけど、関川翔史くん。父さんの友達の子やけ、もし一緒のクラスになったら仲良くしいなぁ。」
「うーん。分かったぁ」

私の学年は五クラスある。
だから、同じクラスになることはまずないだろうと思い、あまり考えずに返事をした。

私は、この時少しだけ運命が動いたことに、まだ気付くはずもなかった…
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