澄んだ瞳に



私は、思った。


お兄ちゃんと、智香は、似た者同士だ。



お兄ちゃんは、自分が傍に居ないと、智香が離れて行くと、言った。



そして、智香は、自分が愛さないと、お兄ちゃんが、離れて行くと、思ってる。




「なんか、急に、悠哉さんに逢いたくなってきた。」

と、智香が、言った。



そして


「私も、淳に逢いたい。」



「そんな風に、思えるなんて、やっぱ幸せだ――。」


「私も――――。」



「私の方が、幸せだから」


「違う。私の方が幸せ」




「ププッ……」


智香が、吹き出した。



そして、私も


「ププッ……」



「『アハハハ―――』」






幸せな二人…………。






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