転んだら死神が微笑んだ
すると、目の前の門が突然開き始めた。

向こうから、シルバーのスポーツカーがすごい音を出して、やってきた。



ブォォォンッ!


知春「乗って!」

あかり「知春さん!」

ウインドウが開き、そこから知春さんが顔を出して、わたしを呼んだ。


わたしは急いで、助手席に乗り込んだ。

バタンッ

知春「あの子は?」

知春さんが指さす方向を見ると、アイツがぼーっと立っていた。

あかり「知り合いです。」

知春「そう。」

知春「キミも来る?」

貴志「いや、俺はいいです。」

アイツは手を横に振って、軽くおじぎした。

知春「じゃあ、急ぐから。」

貴志「はい。」

ウインドウを閉める知春さん。

ウィーン…

あかり「あ…」

わたしがアイツに対して何か言おうと思った時、アイツもわたしのほうをのぞいて、何かを言った。

エンジン音にかき消され、アイツが何て言ったのかは聞きとれなかった。


そのまま車は走りだした。
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