転んだら死神が微笑んだ
第4羽:チャンスは誰をも狙ってる
あかり「よしっと。」

わたしは、この前知春さんに買ってもらった洋服を着ていた。

何を着ていいかわからなかったけど、やっぱり動きやすいほうがいいしと、短パンの格好を選んだ。

鏡の前に映るわたしは、今までのわたしとはどこか違って見えた。

自分でいうのもなんだけど、なんかモデルさんみたい。

フツーの女の子は、毎日こんなの着て外を歩いているのかと思うと、自分の今までの格好が、バカみたいに見えてくる。

おしゃれな格好をしている女の子たちがたくさん歩いている中で、一人ぽつんとダッサい格好をして立ちすくんでいるわたし。

通りすぎる女の子たちが、わたしを見て笑っている。


……。


おっと。

そうだったのか…。わたしって今まで、そんな変な女の子だったんだ…。

現実に引き戻され、もう一度今の自分の姿が鏡に映っていた。

わ、笑われないよね?

大丈夫。大丈夫。

一生懸命、自分に言い聞かせていた。


ん?パンツはいてるのに、なんで上にスカートはかなきゃいけないんだろう?

最初からコーディネートされている服に対して、ファッションのわからないわたしは、自分でダッサいと言っておきながら、まだまだ理解できず、はてなばっかり投げかけていた。

あかり「それにしても、わたしがこんな格好するなんて思ってなかった。」

腰をポンッとたたいて、部屋を出る。
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