転んだら死神が微笑んだ
おばあちゃん「はい。あかりちゃん。」

おばあちゃんがジュースを持ってきてくれた。


あかり「ありがと。」

おばあちゃん「ほらほら、あかりちゃんもお父さんも食べる手が止まってますよ。食べて、食べて。」

おばあちゃんが笑いながら、うながしている。

おばあちゃんの笑顔はいつも見ている。

さっき出迎えてくれたときも、ずっと笑ってくれている。

どちらかというと、お父さんもいつもにこにこしているほうだ。


お母さんが亡くなってから、ずっとこうだった。

おばあちゃんとお父さんは明るくふるまい、わたしとおじいちゃんは笑うことを忘れた。

おじいちゃんも、わたしと同じだった…。

何かをお母さんと一緒に、ぽっかりなくしてしまったのだ。
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