先輩彼氏☆後輩彼女


いつもより早めに家を出て
学校へ向かう。

その途中、携帯を取り出して
ある番号を呼び出す。


【長谷川瑞希】


実は昨日、双葉の携帯を
こっそりとブレザーのポケットから
盗んで番号を入手していた。

まぁ、本当のところは
変な虫(男ども)が
寄り付いていないか確かめるために
携帯を勝ってに見たようなかんじ。

悪きはするけれど、
信じてないっていうことじゃ
ないけれど……。

双葉は鈍感だから…心配なんだ。

俺は長谷川瑞希の番号を押した。


プルルルルルル…

10回くらいコールしても出ない。

(やっぱ、非通知か…)

俺は諦めて電話を切ろうとした。


『…はい?』

警戒心のある声が聞こえてきた。

「あ……あのっ…窓羽春輝です」

『………どうして番号を…』

「あ…ちょっと調べた」

『…何のマネですか?
 あたしはあなたが嫌いなんです。』

キツイ口調でキツイ言葉が返ってきた。

「…んなことわかってるよ。
 俺だってあんたのこと好きじゃねぇよ」

何で“嫌い”と言わなかったのは…
きっと長谷川瑞希が双葉のダチだから。

『………で、何の用ですか?』

「…わかってると思うけど、
 双葉のことなんだ。」

『…波川さんのことがどうしたんですか?』

一瞬、声が裏返った双葉のダチ。

「…いつから名字で呼んでるの?」

『さぁ……』

「お前、そんな酷い奴じゃねぇよな?」

俺の言葉に黙り込む。


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