ファースト ラブ ~女子高校生×ホストクラブ経営者~
その涙を見るのが辛いカイトは立ち上がってキッチンへ行った。


「今コーヒーを入れるよ 落ち着いたら帰るんだ」


「コーヒーなんて・・・いらない・・・」


――欲しいのはカイトさんの笑顔・・・好きって言ってくれる唇・・・。



花音はキッチンでコーヒーをセットしているカイトを見ると黙って玄関へ向かった。




玄関の扉が閉まった音が聞こえるとカイトはずるずるとシンクを背に床に座った。


――ごめん 花音ちゃん。


膝に顔を入れるようにしてうなだれる。



「っ・・・ごめん・・花音・・・ごめん・・・・愛している・・・」



声に出すと余計に辛くなった。










「カイトさん、やっぱりさっきのは嘘なんだね?」


花音の静かな声がした。



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