一筋縄では逝かせない★



「あれ?お兄ちゃんどこ行ったんだろ?」



「あら?皆どこ行ったのかしら?」



「「え?」」



ほぼ同時に発した言葉に桃子とおばあさんは驚きで顔を見合せました。



「…」



「…」



「「―ねぇ」」



「―いい加減にしてくれる!?」



「何よ!?あんたこそ!!」



二人の間にバチバチと火花が飛び散りました。



桃子はそれを見なかった事にし、スタスタとまた歩き出しました。



「ちょっと!付いて来ないでくれる!?」



「私もこっちなのよ!」



それを見たおばあさんはなんとか言い繕い桃子に付いて行きました。



桃子は言葉と同時に隣まで追い詰めたおばあさんに肘打ちをかましました。



横腹に見事にクリティカルヒットされたおばあさんは仕返そうとしますが、付いて行くのに精一杯です。



桃子は一度後ろを振り返りますが、そのままスタスタと行ってしまいました。



「(こんなとこ見られてたまるもんか!)」



意固地になっているだけな様でした。




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