イジワルな恋人



あたしは、もしかしたら……

ずっと、誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。


一人で抱え続けたこの事を、誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。



ふと、そんな事を思った。


その証拠に、涙が流れるのと一緒に心が軽くなっていくのを感じてた。

……こんな風に泣くのも初めてで、涙が止まらない自分に驚く。


あれから泣いたことなんて、ほとんどなかった。


おばあちゃんの前では、心配させるのが嫌で泣けなかった。

家以外では、落ち込んだ顔すらできなかった。

あたしが気にしてると、周りも気にするから。



だから、忘れた振りをして、普通にしてた。。



そうでなくちゃいけない気がして……。

頑張って笑わないと、もう、立ち直れない気がして……。




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