イジワルな恋人


「あれ、奈緒、香水つけてる? 昨日買ったの?」


窓際の席について、ぼーっとしていると、梓が話しかけてきた。


「うん。駅ビルで……亮が買ってくれたんだ」

「桜木先輩に選んでもらったの?」


梓の質問に、あたしは照れながら頷いた。


「……服とかってさ、よく昔はプレゼントするのは脱がすためとか言ったけど、香水って」

「何の意味もないよ! 最近梓そんな話ばっかりでやだっ!」

「だってじれったいんだもん! 

あんなに仲いいのにキス止まりなんて! 

あたしなんかそんな相手もいないのにさー」


梓の言葉に、呆れながら笑う。

なんだか深刻に考えてる自分がバカみたいに思えてしまって、自然に笑みがこぼれた。


「なんか、梓といると悩んでるのが嫌になる」

「なに? なんか悩んでたの?」


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