イジワルな恋人
「ねぇ、亮は体育祭なににでるの?」
昼休み、亮と屋上にいるのが習慣になりつつあって、あたしは毎日屋上に続く階段を上る。
……でも、かならず亮の方が先にいるんだよね。
絶対サボってるとしか思えない。
「……あー、なんだっけ。リレーと借り物?
俺いなかったから勝手に決められてた」
「そっか。あたしは何にしようかなぁ……。
あ、それより亮って2年2組だよね?」
「そうだけど……?」
あたしがお弁当を広げると、亮もそれに手を伸ばす。
それもいつの間にか当たり前になっていた。
「あたしも1年2組だからチーム一緒だね! 青組だよ」
この学校では、学年の組ごとにチームが別れる。
つまり1年から3年までの2組が青組になる。
「へぇ……まぁ当日でるかわかんねぇしどっちでもいいけどな。
……でももし別のチームだと、おまえ、俺のチームが勝った時文句いいそうだし」
「言わないよ。……亮がちゃんと頑張れば。
っていうか、ちゃんと出ようよ、学校行事。
あたし高校入って初めての行事で楽しみにしてるのに。
あ、午前中の空いた時間で応援用のボンボン作ったんだよ。
亮の出番の時は応援するね」