さみしいよダーリン★
「公私混同なんて言葉はどこへ行ったのかしらと言う程で・・・。仕事はもちろんしているんですが、気が付くと、いつも写真に目がいっている・・・そんな感じでした。」



あの日、一週間ぶりに再会しときと同じことを言われた。



「我が社のためにも、解禁してあげてくれませんか?」



それを聞いて思わず吹き出してしまった。



まぁ、いっか。



仕事をしてる澄人も見られたし!



「分かりました!」


「ありがとうございます。」



で、私が帰ろうとすると、知里さんはスーツのポケットから鍵を取り出した。




「これは、ホテルのスイートルームの鍵です。」


「へっ!?」


「どうぞ、朝までごゆっくりお過ごしください。幸い、明日は朝から大事な会議などは入っておりませんので。」



知里さん・・・・・あなた、仕事が早いですね。



「あ、そうそう。これは、友人として言っておくわ。社長は歌乃さんの前では、頼りないかもしれないけれど、私達社員にとってはとても尊敬できる人よ。だから、社長との将来は前向きに考えてみたらどうかしら。」



知里さんには何もかもお見通しなのかな・・・



あたしは、再びドアの隙間から澄人を覗いた。



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