~ワタシと君と~
出航!?
「3028年。
現在の世界は、海賊人の割合6、陸地人の割合4となっている。
2900年前後に、急激に増加。過程は未だ不明となっている。
海賊人によって侵略、被害に直面する国は年々増加中であるが、我々の住む日本は、比較的被害の報告はされず。
しかし、海水浴で遊ぶ際、近隣に船を見かけた場合は、係員までお申しつけるよう、ご協力お願いします、、か」
(前置きが長すぎ……。はっきり一言、「近隣に船を見かけたら、すぐ係員へ!」とかにしとけばいいのに。だからこんなバカでかい看板になるんじゃない。
「皆様、こちらへ。
おはようございます。今年も恒例の海水浴での3泊4日旅行が開催され、わたくしホテルオーナーのシマサキも大変嬉しく思います。皆様のホテルは去年同様、海の見える絶景スポット、《海光(かいこう)ホテル》になっております。部屋は1人1部屋の貸し切りの形ですのでご安心してお過ごし下さい。また、荷物の方も、すでに各部屋に着いております。
それでは、ご案内します」
そう言うと、オーナーはホテル方向へ向かい出した。
60歳半ばだろうか。後ろ髪は、白髪が混じっており、風になびく程の長さ。 目尻がちょくちょく下がるため、優しい雰囲気を漂わせ、お客ウケは良さそうだ。
私の身長は160ちょっとだが、前を歩くオーナーは、おそらく180前後はあるだろう高さ。
老人の身長は、高いというイメージがなかったため、ちょっと困惑。
後ろをちょこちょことついていっていると、数人の女子が話しかけてきた。
「ごきげんよう」
「え、あ、ごきげんよう。えぇと……」
後ろからだったため、驚いて返事につまってしまった。しかも、この人が誰なのか、わたしには分からないのだ。だが相手は、気にする様子もなく、話をすすめる。
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